新居の完成が近づくと、工事代金の支払い、住宅ローン、引越しなどの予定が重なります。その中で「表題登記」「保存登記」と聞いても、何が違うのか分からないことがあるかもしれません。

戸建て住宅を新築した場合、この二つは目的の異なる登記です。誰に何を依頼しているかを確かめ、建物の完成や融資の予定と合わせて進める必要があります。

表題登記は、建物の所在や構造を記録する

建物表題登記では、所在、種類、構造、床面積など、建物の物理的な状況を登記記録の表題部に記載します。新しくできた建物について、最初の登記記録を作る手続です。

土地家屋調査士は、建物の現地調査や測量を行い、必要な図面などを作成して、この申請を代理する専門家です。建築確認の図面があっても、実際に建った建物と一致しているか、登記上どのように面積を算出するかなどを確認します。

土地をすでに自分名義で登記していても、新しい建物の登記が済んだことにはなりません。土地と建物は別の不動産として記録されるので、「土地の登記は購入時に済ませた」という場合も建物の手続を確認してください。

所有権保存登記は、権利部に所有権を登記する

所有権保存登記は、その建物について最初の所有権の登記を権利部に行うものです。表題部に所有者として記載されることと、権利部に所有権を登記することは同じではありません。

住宅ローンの抵当権設定など、権利に関する登記の申請代理は司法書士の業務です。金融機関の手続と登記の進行が関係するため、表題登記の完了予定を司法書士や金融機関と共有する必要があります。

建築会社の説明で「登記費用」と一括して示されている場合も、表題登記、保存登記、抵当権設定のどこまで含むのかを確認しましょう。担当する専門家、支払う報酬や実費、提出する書類を分けて把握すると、依頼の抜けを防げます。

戸建ての表題登記は、原則として取得から1か月以内

不動産登記法47条1項では、新築した建物などの所有権を取得した人に、取得の日から1か月以内の表題登記申請を求めています。いつを取得日と考えるかは契約や建物の完成状況などに関わるので、「引越しをしてから1か月」と自己判断しないことが大切です。

相談時には、建築確認関係の書類、設計図、工事請負契約や引渡し関係の資料、所有者を確認できる書類などについて、必要なものを確認します。共有名義にする予定なら、所有関係や持分も事前に整理しておく必要があります。

正当な理由なく申請義務を怠ると、10万円以下の過料の対象になり得ます。ただし、期限を過ぎたら登記できなくなるわけではありません。未了と分かった時点で、法務局または土地家屋調査士に相談してください。

完成間際に慌てないためには、工事中から担当者と必要資料、現地確認の日程を整理しておくことです。土地家屋調査士ナビなどの掲載情報を参考に相談先を自分で選び、依頼する業務と費用を本人に直接確認しましょう。