子ども部屋を増築した、住宅の一部を店舗にした、屋根をふき替えた。工事が終わっても、登記の手続が必要かどうかまでは意識していなかった、という人もいるでしょう。
リフォームという呼び方だけでは、登記の要否は判断できません。建物の種類、構造、床面積など、表題部の登記事項に変更が生じたかを確かめる必要があります。
面積が増える工事だけが対象ではない
部屋を付け足して床面積が増えた場合は、建物表題部変更登記を検討します。一部を取り壊して床面積が減った場合にも、現況に合わせる手続が必要になることがあります。
面積が同じでも、居宅を店舗として使うようになった場合や、登記上の構造に関わる屋根の種類などが変わった場合は、登記事項の変更に当たるかを確認します。住宅の一室で仕事を始めただけなのか、実際に建物の用途が変わったのかといった事情も関係します。
一方、壁紙の張替え、設備の交換など、登記事項に変更がない工事について、工事をしたという理由だけで表題部変更登記が必要になるわけではありません。工事名より、工事前後で何が変わったかを整理することが大切です。
建築確認の要否と、登記の要否は別に判断する
施工業者から「この工事は建築確認が不要です」と説明されたとしても、それだけで登記も不要とはいえません。建築確認は建築基準法などへの適合を確認する手続で、登記は不動産の状況を公示する制度です。
小さな増築だから登記しなくてよい、と面積だけで決めるのも避けましょう。登記上の床面積は定められた方法で算定され、図面に「増築部分」と書かれた数字をそのまま足せばよいとは限りません。
逆に、表題部変更登記を済ませても、建築上の違反がある場合に、その問題が解消するわけではありません。建築の手続については建築士等、登記については土地家屋調査士や法務局に分けて確認してください。
変更から原則1か月以内、古い増築も現況を確認
不動産登記法51条では、建物の種類、構造、床面積など一定の登記事項に変更があった場合、原則として変更の日から1か月以内の申請を求めています。「いつか売るときに直せばよい」と先送りせず、工事の段階で確認しておきましょう。
すでに何年も前の工事なら、まず現在の登記記録と建物の状態を比較します。工事会社が廃業していても、それだけで手続を諦める必要はありません。残っている契約書、図面、写真、固定資産税関係の資料などから、どのような資料を補えるか検討します。
相談時には、主な工事の内容と時期、建物のどの部分を変えたかを伝えます。母屋の増築に見えても、別棟の附属建物として整理すべき場合などがあるため、現地調査を踏まえた判断が必要です。
変更登記を済ませた後は、新しい登記記録と図面を工事資料と一緒に保管してください。住宅の売却や相続の際、建物がいつ、どのように変わったかを説明できる資料になります。