市区町村から、土地の地籍調査に立ち会ってほしいという通知が届いた。遠方に住んでいて出向きにくい、境界のことは分からないので返事をしていない。そんな場合は、まず通知に記載された窓口へ連絡してください。

地籍調査は、土地の所有者、地番、地目、境界や面積を調べ、地図などを整える事業です。売却時に個人が依頼する測量とは異なる公的な調査であり、その成果は登記にも反映されます。

立会いは、自分が知る情報を伝える機会

一筆地調査では、公図などを基にした資料を参考に、土地所有者等が現地で境界を確認します。所有者が保管する測量図や過去の境界確認書、昔の境界標についての情報が、調査の手がかりになることもあります。

「隣の人のほうが詳しいから任せる」とせず、自分の土地のどの範囲について確認するのかを把握しましょう。境界が分からないときは、そのことを伝え、分からないまま同意することは避けます。

指定日に出向けない場合には、代理人による対応や図面等による確認が可能かを実施者に相談します。代理人の資格や委任状など、必要な準備は案内に従って確認してください。家族なら無条件で所有者の代わりになれるとは限りません。

通知を無視していれば調査が止まる、とは限らない

境界を確認できなければ、周辺の土地を含め「筆界未定」とされることがあります。その場合、将来の分筆や土地取引の準備に支障が生じ、後から確認のための負担が必要になる可能性があります。

一方、2024年の制度改正で、通知に反応しない土地所有者等に対する「土地境界のみなし確認制度」が設けられました。図面等調査の通知や筆界案の到達など、定められた手続を経て、筆界案の到達から20日間に意見の申出がない場合、確認があったものとみなせる制度です。

ただし、積極的に立会いや図面等調査を拒む人や、通知等の到達を確認できない場合などは対象外です。適用するかは実施者の判断によります。返事をしないことが、異議を伝える代わりになるとは考えないでください。

この制度は地籍調査の手続です。民間の測量で隣人へ書類を送り、20日間返事がないから境界に同意したと扱える、というものではありません。

調査後の閲覧も、面積や地図を確認する大切な機会

作成された地籍図と地籍簿には、通常20日間の閲覧の機会があります。誤りがあると思うときは、実施者に申し出ることができます。現地の立会いに参加したから、その後は何も見なくてよいというわけではありません。

閲覧では、土地の配置、地番、地目、面積などを確認し、気になる点は資料を示して尋ねましょう。従来の登記面積と違う数字が出ても、直ちに土地が増減したことを意味せず、測量精度などの確認が必要です。

境界資料が読めない、過去の説明と合わないという場合は、土地家屋調査士へ資料の調査を相談する方法もあります。ただし、意見の提出先は調査実施者です。通知の期限と窓口を確かめ、自分の認識を具体的に伝えることが大切です。