自宅の敷地が三つの地番に分かれているので、一つにまとめたい。持ち主も使い方も同じなら、簡単に合筆できそうに思えるかもしれません。

ところが合筆登記には、不動産登記法上の制限があります。所有者の名前だけでなく、地目、共有持分、担保などの登記を確認しなければなりません。まとめた後にどう使うかも含めて考える必要があります。

所有者が同じでも、地目や共有持分が違うと制限される

合筆は、複数の土地を登記上一筆にまとめる手続です。不動産登記法41条は、相互に接続していない土地、地目や地番区域が異なる土地、所有者が異なる土地などについて、合筆を制限しています。

共有地では、所有者の組合せが同じでも持分が違えば問題になります。たとえば、一方の土地が夫婦各2分の1、もう一方が夫3分の2・妻3分の1なら、単に二人の名義が共通しているというだけで合筆はできません。

また、所有権の登記がある土地と、表題部だけで所有権の登記がない土地を、そのまま合筆することもできません。複数の登記記録を並べ、条件がそろっているかを確認することが出発点になります。

抵当権がある場合は、内容を細かく確認する

所有権以外の権利に関する登記がある土地にも、合筆の制限があります。ただし、法令で認められる一定の登記については例外があります。抵当権があるから絶対にできない、同じ銀行だから必ずできる、という判断はいずれも適切ではありません。

不動産登記規則では、合筆後の土地の記録に引き継げる権利の登記を定めています。担保の目的や登記原因、受付の情報などを具体的に調べ、必要に応じて司法書士や金融機関と調整します。

地目が違う場合にも、合筆したいという都合だけで地目を書き換えることはできません。地目は土地の現況に基づいて判断するため、利用状況や変更の経緯を調査する必要があります。

一つにまとめることが、将来も便利とは限らない

合筆すれば管理する地番を整理できますが、後で一部だけ売却したいときには、再び分筆が必要になることがあります。家族に別々に承継する予定がある、道路部分を切り分けたいなどの計画があれば、その予定も先に伝えましょう。

一つの住宅敷地が複数の筆で構成されていること自体は、珍しいことではありません。建築上の敷地と登記上の一筆は異なる概念です。地番が複数あるという理由だけで、必ず合筆しなければならないわけではありません。

合筆のために毎回新たな境界確定測量が必要になるとも限りません。登記資料と現況を基に、申請条件や必要な作業を確認します。土地家屋調査士に各筆の登記記録と利用計画を示し、先に整えるべき登記の有無、合筆の利点、将来分け直す可能性を相談してください。