公図では土地が道路に接しているのに、現地の位置関係が違って見える。売却のために資料をそろえたら、土地の形や並び方に違和感があった。こうした場合は、まず何が食い違っているのかを調べる必要があります。

地図の表示に誤りがある場合には、法務局へ地図訂正を申し出る手続があります。ただし、現在の塀や使い方に合わせて線を書き換えるための制度ではありません。

「古い図面の精度」と「訂正すべき誤り」を見分ける

地図に準ずる図面、いわゆる公図には、古い土地台帳附属地図などに由来し、現地との位置や形状にずれがあるものがあります。図面の縮尺や距離が現在の測量図ほど正確でない場合もあるため、見た目の違いがすべて個別の訂正事項になるとは限りません。

一方、地番の表示や土地の位置・形状、区画そのものに誤りがある可能性もあります。自分の土地だけでなく、周辺の土地、道路、水路との関係を含めて照合することが必要です。

土地家屋調査士には、公図、地積測量図、以前の売買時の図面、境界確認書などを示します。現地だけを見て図面が誤りと決めつけず、現在の土地利用のほうが従来の筆界と異なっている可能性も含めて調査します。

訂正には、誤りと正しい内容を示す資料が必要

不動産登記規則16条は、地図の区画や地番、地図に準ずる図面の位置・形状・地番に誤りがある場合の訂正申出を定めています。申出には、誤りを証する情報などが必要です。

位置や形状などの訂正では、土地所在図や地積測量図といった資料も関わります。単に「この形のほうが便利」「現在この線まで使っている」という希望だけで訂正が認められるものではありません。

登記記録の地積にも誤りがある場合は、地積更正登記の申請と併せて申し出る必要があります。地図の線の訂正と面積の修正を別々に考えず、どの記録に誤りがあるかを整理することが大切です。

周辺の土地に影響するときは、手続の範囲も広がる

一筆の形を修正すると、隣の土地の形や配置にも影響することがあります。その場合、自分の土地だけの申出では処理できないこともあり、関係する土地の調査や法務局との調整が必要です。隣接地所有者の説明や保管資料も、重要な手がかりになります。

また、地図上で複数の地番がまとめて表示されている「筆界未定」の状態は、単純な誤記とは事情が異なります。もともと筆界が確認されていないのであれば、筆界を調査し、必要な登記や地図の手続を検討します。

土地の売却や建築に関係する場合は、訂正の見通しが立つ前に、図面上の接道や面積を確定事項として説明しないことが大切です。不動産会社や建築士にも、どこが未確認なのかを共有しましょう。

地図訂正を相談するときは、「形が違う」という感覚だけでなく、どの地番、どの辺、どの資料同士が食い違うのかを示してください。問題の範囲を明確にすることが、必要な調査と手続を判断する助けになります。